医療福祉の労務情報
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文書作成日:2022/08/31

 今回は、育児休業中の就労についての相談です。

 育児休業(以下、育休)を取得する予定の職員がいます。育休中の人員不足を補うため求人募集をしていますが、なかなか思うように応募がありません。育休中は基本的には育児に専念してもらうつもりですが、月に2〜3日程度、働いてもらうことはできますか?

 原則として、育休中の職員を働かせることはできません。ただし、医院と職員との話し合いにより、職員が合意した場合に限り、一時的・臨時的に働かせることができます。なお、2022年10月1日からの産後パパ育休では、休業中に働く仕組みが設けられます。

1.育休中の就労

 育休は、原則、子どもが1歳になるまで取得できます。育休中は、原則として働くことが想定されておらず、医院の一方的な指示によって働かせることはできません。ただし、医院と職員の話し合いによって、子どもの養育をする必要がないときに限り、一時的・臨時的に働かせることができます。質問のように、あらかじめ月2〜3日の働く日を決めておくことはできませんが、例えば、職員間で感染症がまん延し、一時的に職員が足りなくなった場合に、医院が応援のために臨時で看護業務を依頼し、職員が合意した場合は、働かせることができます。

2.産後パパ育休中の就労

 男性の育休の取得促進策のひとつとして、2022年10月に産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されます。産後パパ育休は、子どもが1歳になるまでの育休とは別に、子どもが生まれて8週間以内に4週間まで育休を取得できる制度です。この産後パパ育休中は、労使協定をあらかじめ締結することで、医院と職員で個別に合意した日や時間に働くことが認められていることが最大の特徴です。なお、働く日や時間には、上限が設けられています。

3.育休中に働いた場合の育児休業給付金

 育休中・産後パパ育休中に職員が働いた場合、医院は職員に賃金を支払う必要がありますが、支払われる賃金額によって、育児休業給付金の支給額が減額されたり、支給されなくなったりします。また、一定の時間数を超えて働くと、その期間に係る育児休業給付金が支給されなくなります。そのため、職員を働かせる場合には、その仕組みを十分に説明し、職員に納得して働いてもらうことが必要です。

 育休は、子どもを養育するための休業であるという本来の趣旨を理解した上で、産後パパ育休中に働くことのできる仕組みを利用することで人員不足を補ったり、万が一の際には、職員の同意を得て一時的・臨時的に働かせたりすることができることを理解しておくとよいでしょう。


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