医療福祉の労務情報
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文書作成日:2020/02/29


 今回は、年次有給休暇取得のために導入を検討している計画的付与制度についての相談です。




 年次有給休暇(以下、年休)を年5日取得することが義務化され、もうすぐ1年が経過しますが、なかなか休みが取れない職員がいて、取得日数の管理やシフトの調整に苦労しました。来年度は、計画的付与制度の活用を検討していますが、どのように導入すればよいでしょうか。




 年休の計画的付与制度を導入するためには、就業規則へ規定した上で、医院と職員代表が労使協定を締結することが必要です。これにより、職員が保有する年休のうち、5日を超える部分について、その取得日を医院側が指定できます。




1.年休の5日取得義務と計画的付与制度
 働き方改革の一環として、2019年4月から、年10日以上の年休が付与される職員に対して、付与した日から1年以内に少なくとも5日の年休を取得させることが使用者の義務となりました。施行からもうすぐ1年が経過しますが、5日以上年休を取得している職員がいる一方で、管理者や忙しい部署など、なかなか休みが取れない職員がいることが課題となっている医院もあります。

 このような課題を解決する手段のひとつとして、年休の計画的付与制度の導入があります。使用者は労務管理やシフト管理がしやすく、計画的な業務運営ができるようになり、職員は周囲に遠慮することなく、確実に年5日の年休を取得できるようになることが期待されます。

 なお、計画的付与制度で取得した年休も、5日取得義務の日数としてカウントされます。

2.計画的付与制度を導入する際の手続き
 計画的付与制度の導入には、就業規則へ規定した上で、労使協定を締結することが必要です。その規定例等は以下のとおりです。

(1)就業規則による規定例

前項の規定にかかわらず、職員代表との書面による協定により、各職員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。


(2)労使協定で定める項目と留意点

項目 留意点
計画的付与の対象者 育児休業や定年退職など、対象外とする職員がいれば定めます
対象となる年休の日数 年休のうち少なくとも5日は職員の自由な取得を保障します
計画的付与の具体的な方法 一斉付与、交替制付与、個人別付与と実態に応じた方法を導入します
年休の付与日数が少ない職員の扱い 一斉付与の場合、5日を超える年休がない職員に対する取扱いを定めます
計画的付与日の変更 あらかじめ計画的付与日の変更が予想される場合は、その手続きについて定めます

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