医療福祉の労務情報
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文書作成日:2019/12/31


 今回は、業務中の事故でケガをした際の対応についての相談です。




 さきほど、職員が業務中に階段から落ちてケガをするという事故が発生したという連絡がありました。本人の意識はありますが、頭を打っているかもしれないので、念のため検査のできる病院へ行くよう指示したところです。このように労災が発生した場合、医院としてどのような対応をすればよいでしょうか。




 業務中に事故が発生しケガをしたときに最優先すべきことは、被災した職員の救護・治療です。可能であれば、労災保険指定の医療機関等(以下「労災指定病院」という)を受診するよう指示をします。その後、労働基準監督署等への手続きを行うため、ケガをした状況や事実関係を把握しておくことが重要です。




1.ケガをした職員への対応
 業務中の事故により職員がケガをしたときには、ケガをした職員の状況確認と救護・治療が最優先になります。治療が必要になる場合は、可能であれば、労災指定病院へ行くことが望ましいです。労災の治療費等は、原則として労災保険から支払われます。労災指定病院の場合は、窓口等で「療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」を提出し、労災であることを申し出ることで、治療費を直接負担する必要はありません。労災指定病院以外へ行く場合は、治療費の全額をいったん負担し、後日、労働基準監督署へ「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」を提出することにより請求します。いずれの場合であっても、健康保険は利用できないため、窓口等で健康保険証を提示しないよう注意を呼びかけましょう。

2.労働基準監督署への報告・手続き
 こうしたケガにより、仕事を休まなくてはならない場合は、労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」の提出が必要になります。休業が4日以上であれば様式第23号、休業が4日未満であれば様式第24号となり、休業日数によって書類の種類と提出期限が異なります。この報告は、災害の発生状況等を記載するため、災害発生時の目撃者の有無や事実関係を確認しておきます。
 なお、仕事を休んだ日に対し、休業4日目から休業補償給付が支給されます。その他ケガの状態によっては障害や遺族に関する給付も行われますので、すみやかに給付が行われるよう労働基準監督署への届出を行うようにしましょう。

 業務中の事故によるケガなどが発生すると、突然の事態にどのように対応すればよいか戸惑う場面があります。日頃から職員に対して報告体制を周知したり、近隣の労災指定病院をあらかじめ調べておくとよいでしょう。あわせて、事故の発生原因の究明や、改めて院内の安全衛生教育を行うことにより、再発防止策を立案・実行することが求められます。


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